家電が生まれ変わる家電リサイクルプラント

2018.09.12

不用品回収

家電が生まれ変わる家電リサイクルプラント

テレビ、エアコン、冷蔵庫(冷凍庫を含む)、洗濯機(乾燥機を含む)の4品目は特定家電と呼ばれ、リサイクルが義務付けられています。なぜこの4品目だけがリサイクル指定されていて、どんな方法でリサイクルされているのでしょうか。家庭や事業所から廃棄された家電は、「家電リサイクルプラント」という処理場へと運ばれます。家電リサイクルプラントとはどんな施設で何をしているところなのか説明します。

家電リサイクルプラントの役割

家電リサイクルプラントは、特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)によって回収された家電をリサイクル資源へ生まれ変わらせるための施設です。平成28年10月1日現在、全国に47施設あります。家電は多くのパーツからできており、多くの部品でリサイクルが可能な材料が使われています。そういったリサイクルが可能な材料を再資源化のために回収後の家電は分解されますが、そのときに異なる素材が混ざってはリサイクル資源にできません。そのため、家電の分解から素材の分別、分別後の素材をリサイクル資源への加工する専門的な技術が求められるようになりました。

また、冷蔵庫や冷凍庫は断熱材や温度を下げるための素材としてフロンガスが使われています。フロンガスはオゾン層を破壊する有害物質です。リサイクルプラントでは、家電の材料に含まれるこういった有害物質も適切な手順で安全に処理します。このような専門的な処理が自治体レベルのゴミ処理場では難しくなったために、特定家電の4品目は家電リサイクルプラントで処理をすることになりました。

回収された家電はどのように処理されているのか

家電のメーカー、小売業者、不用品回収業者などによって指定引取場所に運ばれた家電は、メーカーごとに対応している家電リサイクルプラントへ移されます。リサイクルプラントでは、回収後の家電をまず手作業で解体し、材料を分別。その後、機械で粉砕・素材の選別をします。

たとえば液晶テレビであれば、テレビのカバーを外し、パネル、基盤などの金属部品、蛍光管を回収します。キャビネットやパネルに使われているプラスチック部分、シャーシなどに使われている金属部品など、材料ごとに取り外し、それぞれ機械を使って粉砕します。他の家電も、同様に一つずつ手作業で分解していきます。最初は手作業で解体し、コードやモーター、金属部品を取り外します。中の部品を取り出してキャビネットだけになったら機械で粉砕し、風力や磁力、電流を使って素材を選別する機械にかけます。品目によっては、3回、4回と違う選別機にかけて分別します。こうして、プラスチック、鉄、銅、アルミ、ウレタンなど素材を分類していきます。選別した素材ごとに、メーカーの工場やより高度な処理を行う専門施設へ出荷されます。

どんなものへリサイクルされているのか

家電リサイクルプラントで分類された素材の大部分は「マテリアルリサイクル」という方法で再資源化されています。

たとえば、プラスチックであればチップ状に加工され、新しいプラスチック製品の材料として使われます。多くのメーカーでは、家電から回収した素材をマテリアルリサイクルで新しく作る製品の材料として使っています。マテリアルリサイクルは、材料の純度が高くなければできません。そのため、分別後は洗浄して不純物を取り除きますが、それでも材料として使えないものも出てきます。そこで、マテリアルリサイクルが難しい場合は「ケミカルリサイクル」や「サーマルリサイクル」と呼ばれる方法で再資源化します。ケミカルリサイクルは熱や圧力を加えるなどして化学的に素材を分解し、石油や化学原料に戻します。そして、化学工業原料や燃料として利用します。「サーマルリサイクル」は廃材を焼却して出る熱エネルギーを利用したり、固形燃料化する方法です。熱回収やエネルギー回収とも呼ばれています。ゴミ焼却場の焼却熱を発電や温水プールなどに利用するのと同じ方法です。リサイクルは物から物へ作り直されるだけではなく、目に見えない形でも、身近なところで利用されています。

家電は正しい方法で処分をしましょう

特定家電4品目は、こういった理由から自治体のゴミ回収では廃棄することができなくなりました。

回収することができるのはメーカーや小売店、そして不用品回収業者です。メーカーや小売店に指定された回収場所に自分で持ち込むことも可能ですが、洗濯機や冷蔵庫は重量があるので自分で運び出すのは困難です。不用品回収業者であれば、電話一本で自宅まで回収に来て、運び出すところから対応してもらえるので、処分方法にお困りの方は問い合わせをしてみることをオススメします。