「ゴミ屋敷」と「散らかった家」はどう違うのか?

2018.10.22

ゴミ屋敷・大量の不用品

不用品回収

「ゴミ屋敷」と「散らかった家」はどう違うのか?

家の中にも外にもゴミが山積みになっている家がテレビなどで紹介される機会が増えています。これらは「ゴミ屋敷」と呼ばれ、住んでいる本人はもちろん周辺住民にも悪影響があることから社会問題としても扱われています。

「私の家もゴミ屋敷かも…」と心配になるかもしれませんが、「ゴミ屋敷」と単に「散らかった家」とは明確に区別されています。まだ「散らかった家」であれば、状況を改善する余地が大いにあります。「ゴミ屋敷」になる前に対策を考えましょう。

ゴミ屋敷の定義とは

床が見えないほどゴミが散乱していたり、積みあがってる状態であれば「ゴミ屋敷」と呼べる状態だと考えられます。

ゴミの量以外で「ゴミ屋敷」と定義されている要因の中には、「悪臭が発生してる」や「害虫が発生している」ことも大きな要因です。見た目が悪いのはもちろんですが、長期間放置されることによって衛生環境が悪化してくるので、単に家が散らかっているだけという問題では済まなくなります。特に夏場は生ごみが腐敗し、強烈な悪臭を放ちます。悪臭を放つほどのゴミの量になると、近隣住民へと被害が広がります。また、公道にまでゴミが散乱するようになると通行の妨げになったり、いたずらによる放火などを誘発することもあるため、安全面や治安面の問題にも発展します。

「ゴミ屋敷」と「散らかった家」とは、事態の深刻さが違うことをお分かりいただけたでしょうか。

さらに、ゴミ屋敷は外観からして異変を感じ取ることができるケースが多いです。家の外にもゴミが散乱している、窓際やベランダにゴミが堆積しているのが外から見てもわかる、ドアや窓や壁が傷んだまま放置されている、などといった特徴もあります。

ゴミ屋敷にしてしまう人の心理

自宅をゴミ屋敷にしてしまう心理状態とは、どのようなものなのでしょうか。そこには単に掃除をさぼってしまってゴミを溜めてしまったという状況とは違う背景が隠れています。

ゴミ屋敷を作り出してしまう心理的要因はいくつか考えられますが、サボり癖ではなくて精神疾患である可能性があります。そのうちの一つが「強迫性貯蔵症(強迫的ホーディング)」です。家の中に大量の物品を集め続けてしまうというもので、「集めたゴミがなくなってしまうのが不安」「いつか使うかもしれないと思うと、不安になって捨てられない」などの心理状態に陥り、物が捨てられなくなってしまいます。強迫性貯蔵症はまだ研究が始まったばかりの精神疾患で、周囲に相談できず一人で悩んでいるケースも少なくありません。

精神疾患が原因となるもう一つの要因が「セルフネグレクト」です。配偶者との死別やライフイベントでの挫折をきっかけに、自己管理ができなくなってしまう状態に陥ってしまう症状があります。元々キレイ好きだった人でも、何かのきっかけでゴミ出しや掃除、着替えや入浴といった日常生活を送ることが困難になり、思考が停止し、「今の状態を改善したい」という意欲が薄れて無気力な状態になってしまうのです。

そして、精神疾患とまではいかなくとも、孤独感からゴミを集めてしまう人もいます。日常的に感じている疎外感や孤独感が高まり、自分の周囲を物で埋め尽くすことで紛らわせようとする。そんな心理が働いてしまうこともあります。

ゴミ屋敷問題を解決するには

ゴミ屋敷問題を解決するのは、容易ではありません。

住んでいる本人が今の状態を何とかしたいと思っているなら対処方法もありますが、ゴミ屋敷の住人はそうでない場合が多いからです。家族や周囲の人間が何とかしてほしいと思っても本人は問題だと思っておらず、今の状態が普通だと思っていることも多く、話し合いは平行線を辿りがちです。「周囲の人間が自分から物を取り上げようとしている」と攻撃的になる人もいるため、解決のために勝手に廃棄したりすると逆にトラブルを引き起こしたり、本人の疎外感や孤独感を高めてしまう可能性もあります。

ゴミ屋敷の解決を考えるのであれば、そもそもの原因を解決する必要があります。

精神疾患が疑われる場合は治療が先決となりますし、孤独感に苛まれているようであれば社会との接点を増やしたり、何らかの社会活動を勧めてみることも好転するきっかけになるかもしれません。原因と背景を無視して無理やりゴミを廃棄したところで、また元の状態に戻ってしまう可能性が高いです。家族内だけで解決しようとすると感情的になってしまうのであれば、第三者を交えた話し合いを行うことも役に立ちます。

しかし、いざ片付けに着手できるような心境になったとしても、大量のゴミを少しずつ片付けていくのは途方もなく気が遠くなる作業になります。家族だけでは対処が難しいと思ったら、ゴミ屋敷のような状態でも対応してくれるプロの業者に依頼してみてください。他人を家に上げて、惨状を見られるのは恥ずかしいと思うかもしれませんが、ゴミ屋敷レベルのゴミでも対応できる不用品回収業者であれば経験も豊富で、臆することなく作業に取り組んでもらえます。「とりあえず外から見えるところだけでも何とかしたい」「なるべく早く片付けたい」など、一度相談してみることをオススメします。